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私どものWebのトップページからご覧頂けるmachineartMOTO、そのarticle1はいかがでしたでしょうか。machineartmotoを立ち上げたインダストリアルデザイナー、Andrew Serbinski氏本人がその道のりを語っています。そのインタビューページに出てくるGSMとはどんなものなのか。そんなお問い合わせをいくつか頂いております。
そこで、改めてGSMについてAndrew Serbinskiに質問を投げかけてみました。造った本人が語るそのビハインドストーリーです。

R1200GSをベースにAndrew Serbinskiが作り上げたコンセプトモデル、GSM。コンセプトモデルとはいえ、彼本人のガレージに収まり、ランナバウトとして活躍しています。
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初期型のR1200GSをベースに「軽快性を持たせる」というコンセプトで造られたGSMですが、その具体的なデザインアプローチについて教えて下さい。
Andrew Serbinski
私がR1200GSからGSMを造ることにした理由は前回お話したとおりです。重複する部分もありますが、もう一度説明しましょう。デザイン面に的を絞れば、このプロジェクトには2つのゴールを設定しています。
まず1つ目。新しいデザインランゲージであるR1200GSをベースに、machineartmotoのデザイン・フォーカスをカスタマーに伝えようということ。そして我々のデザインに関心を持って頂こう。そう考えました。
そして2つ目。より美しいデザインコンセプトがR1200GSにも適切にフィットすることを証明したかった。つまり、R1200GSはアドベンチャーツアラーとして世界中にデリバリーされていますが、走行比率は、高い確率で(私は98%は舗装路、あるいはモーターウエイのような、いわゆる一般道で使われていると分析しています)ストリートを走っているわけです。ダートじゃない。となると、2輪のランドローバーのような出で立ちではなく、軽快で、強さと多用途性を兼ね備えたGSらしさに、より美しく軽快さをカスタマイズして与えることで、新しい可能性を見いだすことが出来ればと考えたのです。

最大の難関とAndrew Serbinskiが解説したタンクのウイングシェイプがよくわかる。リアエンドに向けた細身のシェイプが印象的なものとなる。
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具体的に、格好よく軽快に、という方法はデザイン的にどの辺りに注がれているんでしょうか。
Andrew Serbinski
まず、レンダリングスケッチを重ね、イメージを起こしていきます。最終的に3タイプに絞り、カラーリング検討もしてみました。私はどのレンダリングも気に入っています。しかし、2Dのレンダリングと3Dの現物に当てはめるのは問題が少なくありません。イメージを既存のバイクに当てはめるわけですから、制約が多いのです。
GSMは外装パーツの全てをボルトオンでR1200GSにフィットするようにデザインしました。つまり、主要なコンポーネントを使いながら、ガラリとイメージを変えよう、というわけですからなおさらです。

Andrew Serbinskiの解説のとおり、赤の面積とダークカラーのパネルでは異なる存在感を見せている。クレイモデルの単色と比較するとそれは明快。
最大の難関だったのは、ストックの燃料タンクが持っているボリューム感を抑え、スリムに見せることでした。そこで私達は、ぱっと見たとき、燃料タンクが小振りに見えるような視覚的トリックを使うことにしました。
それは赤いウイングシェイプのパネルを用いることで、視線を赤い部分に集めることです。その効果は、あまりその上のダークな部分のマスボリュームを認識させないというところに現れます。
このウイングのボトムラインは、前からテールエンドに向けて流れてゆきます。低く、長く伸びるそのラインによりフォルムを強く印象づけています。
結果的に、本来ある程度「高さ」のあるスタイルを感じにくくする効果を得ているのです。これにはSlipscreenが車体をよりコンパクトに見せることに一役買ってることは言うまでもありません。
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とっても気になる乗り味ですが、どんな走りになるんでしょうか。
Andrew Serbinski
一言でいえばGSMは大きなスポーツバイクというイメージです。走るのがとても楽しいですよ。タイヤは現在ミシュランのパイロットロードを着けています。スポーツツアラー用のものですね。それと、ハンドルバーはスタンダードよりも50mm狭く、50mm低いレンサル・ファットバーを装着しています。

ラゲッジラックとして造られたパネルもMachineartMotoでデザイン、製作されたパーツの一つになる。GSMの隠れた特徴となっている。
新造したシートは、ストックとほぼ同じ幅と高さにしてあります。リアシートは、取り外すとラゲッジ用のユーティリティーラックが現れる仕掛けです。リアシートが付いた状態でのスリム感とはまた別の表情になりますね。

短縮したノーズセクションとSlipscreenが生み出すロー・プロポーション。GSMに潜んだデザインキャラクターは、R1200GSに新しい個性を咲かせている。
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一番気になることですが、このGSMキットは発売しますか。
Andrew Serbinski
そこなんですが、現状のGSM用のスタイリングキットは少量生産でコストが非常に高い物になっています。コンセプトバイクとして造った、ということもありますが、現状では近い時期に市販の案内をする段階ではありません。大量生産を意図していないのです。
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エンジンボトムのアンダーガード風のパーツは格好いいんですけどねぇ・・・。
ということで、皆様にはGSMは近日リリース!というニュースをお届けできそうにありません。しかし、machineartmotoのデザイン力、主宰のAndrew Serbinskiの考え方をご理解頂けたかと思います。
開発中のレンダリング、CAD画像、そしてモデリング中のクレイ、完成したキットパーツなど、簡単ですがGSM完成へのプロセスをお楽しみ下さい。

レンダリングに描かれた6台のGSM候補生達。ウイングタイプの外観を持つものと、太筆でフロントからリアインナーフェンダーまでズバっとパワフルなライン(上中、下中、下右)を入れたかのようなモデルに大別できる。フロントエンドの塗り分けライン、ラゲッジラックの有無、フロントフェンダーの意匠、シートの造り、テールランプの見せ方など、かなり細かく検討された様子がうかがえる。Slipscreenのような低いスクリーンや高いものも試されている。イラストから推察すると、マフラーはセンターアップとなっている。

デザイン決定のあと、ストックのR1200GSにGSMキットを取りつけるためのシミュレーションも兼ね3D CADでパーツ構成を検討する。GSMはこれだけのパーツを組み合わせて造られている。フロントフェンダーはCFRPを用いた軽快な物もトライされる。ノーズセクションをグッと短くし、オイルクーラーのエアスクープ的にした点でスタンダードと大きく異なっている。

現車にクレイのパーツを取付け、実際の見え方を検討する。ご存じのように外装パーツを外すと、ハーネス、油圧ラインなどの「神経系」が顔を出すほか、電装パーツとの干渉、取付位置のタフネスなど、検討すべき点は少なくない。レンダリングの意図を盛りこみながらも、この段階で現実に合わせて微調整が続く。無着色の段階の外観意匠を見ると、如何にカラーリングされたウイングシルエットが視覚的にGSMのスリムさ、軽快さを打ち出しているかが解る。クレイの色では、スタンダードよりもむしろファットな印象だ。

そして完成した外観パーツ群。少量生産のもの、とはいえ、そのクオリティはX-Head、Slipscreen同様、樹脂パーツながら取付精度の高そうな仕上がりとなっている。リアラゲッジラックの下側(と下列中央に見える左タンクパネルの上にもある)にあるシャークフィン状のパーツは、現車では赤いウイングパネルの下側に付くもので、実際、エアスクープ効果などはない。内側のパーツにあわせたカバーなのだ、という。現車のスタリングカットでは、ブレーキキャリパー、リアショックユニットのスプリングがレンダリング同様、ボディー同色になっている。このトライも面白い。おそらくこれはフォトショップマジックであろう。